振り返ってみてみると、そこに完全に見た目やくざな兄ちゃんがいた

2016.07.27.Wed.22:42
当方、二十歳の喪女です
胸がスーッとするのとはちょっと違うけど、衝撃的なことがあったので


二週間ほど前の朝、満員電車に乗ってたら、後ろから肩を突かれた
振り返ってみてみると、そこに完全に見た目やくざな兄ちゃんがいた
180以上ある身長に、坊主頭、ひげを生やして、目つきのこわい兄ちゃん
何人か殺してるな、って感じの兄ちゃんだった
一瞬で頭が真っ白になって、私は固まった
ところが、やくざはちょいちょいと私の腰の辺りを指差す
で、そちらを見てみると、お尻を撫でまわされてる女子高生がいた

私と同じ生物とは思えない、可愛い女子高生だった
私の胸くらいまでしかない、小っちゃい女の子が、泣きそうになって、俯いてる
(どういうこと?痴漢を止めろってこと?)
正直、意味がわからん

で、私は動けなかったわけなんだが、そんな役立たずな私を押しのけて、やくざの兄ちゃんが、痴漢の腕をがしりと掴んだ
痴漢は、何かどこにでもいる感じの中年のサラリーマンだった

やくざ「えらいことしてくれてんなあ、お父さん」(ほんとにこう言った)
痴漢「え?え?」
やくざ「痴漢はアカンで。そこらに貼り紙あるやろ?」
痴漢「あ、あの…」
痴漢、しどろもどろ。無理もねえよ
やくざ「言い逃れはきかんで。証人もおる」
で、私の方を見るやくざ
正直勘弁してくれと思いながら、私はコクコク頷いた

その頃には、私、やくざ、女子高生、痴漢を囲むように、何か二メートルくらいの人垣ができてた
さっきまで私の腹のぜい肉にカバンを押しつけてたおっさんとかも、向こうの方で、立ったまま寝たふりしてたw

で、痴漢は認めたわけなんだが、その途端、やくざはとんでもないことを言い出した
やくざ「実はこいつ、俺の妹なんや」
リアルに噴きそうになったw
その場にいた全員、(ねーよ!)と思ったと思う

が、図々しいことを言い出すやくざの勢いは、まだ止まらない
やくざ「どうする?」
痴漢「え?」
やくざ「とりあえず、この後は当事者間で話し合うべきなんやろけどなあ」
わざとらしく女子高生を見るやくざ
やくざ「妹は無理みたいやし、俺が代わりになるわ。お父さん、俺と話しよか」
痴漢「…」
痴漢は泣きそうだった。
というか、泣いてた
あれよあれよという間に痴漢は名刺だの免許証だのを取り上げられて、次の駅でやくざに引きずられていった
残された私は、ほとんど放心状態になってたw
一人のサラリーマンの人生が終わる場面を見てしまった衝撃は、すごかったです

で、腰が抜けかけてる私に、女子高生が「すいません…」と言ってきた
正直ホッとして、私は「あ、うん。大丈夫やった?」
女子高生「はい」
私「怖かったねえ」
女子高生「すいません…」
私「うん?」
女子高生「あの、兄がご迷惑をかけて…」

その日一番の衝撃発言を、女子高生が口にした

女子高生が何を言ってるのかしばらく理解できなかったけど、何か、やくざはほんとに女子高生の兄だった

後から女子高生から事情を聞いたところによると、こういうことらしい
この四月から、女子高生はあのサラリーマンにずっと痴漢されてた
乗る電車を変えても狙ってるように、ほとんど毎日なので、怖くなってやくざ(お兄さん)に相談したそうだ
で、警察沙汰とかにして事を大きくするのは怖いという妹のため、やくざ(お兄さん)が一肌脱いだらしい

その後は、しきりに恐縮する女子高生となぜか連絡先を交換して別れたんだが、その日の夕方に、女子高生から電話がかかって来た

出たら、やくざだった
やくざ「あの、今朝はご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」
私「あ、いえ、どうも、フヒヒ…(誰だよ、お前)」
やくざ「よろしければ、一度お会いして、改めてお礼をしたいのですが」
私「い、いえ、フヒ」

遠慮したんだが、どうしても、ということなので、妹ちゃんの方とだけ会うことになった
で、この日曜日に妹ちゃんとお茶をしたんだが、この時に事情を聞いた
ただ、痴漢がどうなったかは、妹ちゃんも教えてもらってないらしい
やくざ(お兄さん)の話とかも、色々と聞いた
お礼のことを私があまりにも遠慮するから、やくざは「怖がらせてしまった」と落ち込んでるらしい
ちなみにやくざは、私と同い年だった
しかも、国立理系の大学生、超インテリだった

で、あまりにも妹ちゃんがやくざの話を楽しそうにするから、
「お兄さんのこと、大好きなんやね」
と私が言うと、妹ちゃんは
「そんなことないですっ」
と言った後で、慌てて、
「あ、そうじゃなくて、大好きだけど、普通に大好きなだけです。特別じゃないです」
と言い足した
かわいすぎて、死にかけた
あんな妹が実在するとは
何とかして、妹ちゃんに「お姉ちゃん」って呼ばれたい

以上です
色々と衝撃的な事件でした
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